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COVID19と合唱2 [歌うことについて]

 実は移りにくい、ということは、アムステルダムの合唱団のCOVID19感染のニュースについて読んでいて思ったことです。ヨハネ受難曲の本番前の練習で集団感染が起きているのですが、気付かないまま、練習を続けてゲネプロやって本番やって……130人の出演者の内102人が感染、内一名が死亡、団員に死亡者が一名出て、団員の家族にも死者が出ています。ですが、観客には感染していないんですね。演奏者とは距離があって空調もあって……ならば感染しにくいわけです。エアロゾル感染は1~2割と言われていますが、実際には相当密にならないと、その状況にはならないんじゃないかと。
 合唱団もオケもソリストも、まだ情報がない段階だから無防備で、一緒にお茶飲んで談笑したりしてますから、そういうところから移るんですね。飛沫感染が主だからです。
 そういうことを考えるとCOVID19対策として、マスク&手洗いって本当に有効なんだな、ということです。フルーの比じゃなく有効だということです。

 アムステルダムの例を挙げて、合唱は危険だ、と宣伝する人がいます。危険なのは合唱じゃなくて、飛沫です。飛沫が飛ぶのは講演会だって危険なのです。主婦の立ち話も同じなのです。

 さて、合唱には癒やしの力があると言います。ストレスを確実に下げる。ネトフリでCOVID19が深いトラウマを残さないように上手にコーピングしようという番組を見ていたら、最後の方にそういう話が出てきました。
 「一緒に歌うと、脳波が相手の脳波と同調する。人との絆を感じさせるオキシトシンが出て、ストレスホルモンが減る」(神経科学者ダニエル・レヴィンティン)
 オキシトシンはスキンシップ、つまりハグとか、体をなでさするとかで得られるホルモンですね。信頼性に深く関わるホルモンで、これが出ていると相手を信用しやすくなるわけです。詐欺をするにはスキンシップを取ってすると良いと言うことですね。
 ハグのできない状況で、一緒に歌うと良い、ということなのです。コンサートでも「一緒に歌いましょう」企画は非常に重要だということです。
 トラウマ研究者ベッセル・ヴァン・デア・コークは皆が声を合わせて歌うことについてこう言います。「それが人の本質だ。赤ん坊が生まれたら、赤ん坊と歩いて歌ってあやす。それが自然だ。人とはそういうものだ。」と
「人はストレスによって生き残り、コーピングによって生きてゆく」。
 合唱がどれほどコーピングに寄与するか。コーピングの初歩の初歩が深呼吸であることから考えても、歌は基礎的なコーピングの一つなんですね。
 もちろん認知症予防に良いと言われていることが、合唱にはすべて含まれています。
 精神的健康のため、肉体的健康のため、みなさん、声を合わせて歌いましょう!

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COVID19と合唱1 [歌うことについて]

COVID19に関する情報
日本では現在、陽性者数およそ17,500 死者935 となっています。
10万人当たりの死者数は0.74人でアジアではトップに位置します。
欧米での死者数は、アジア諸国と較べると極端に高い(100~200倍)ので、人種差であるか、ウィルスの違いかと言われていますが、ともかく日本はアジアなので欧米の死者数などと較べても仕方がないです。
6月初めの抗体検査では東京で0.1%とかなり少ないことがわかりました。おおざっぱに見て、検査済みの感染者の10倍ほどの感染者がいたということです。致命率は5.3%と出ていますが、実際にはその10分の1ほどの0.5%と考えることができます。重症化率などがわからず、危険度があいまいですが、ともかく致命率はこのくらい、ということです。インフルエンザ(以下フルー)は、世界的に0.1%の致命率(日本ではもっと低い)といわれていますから、それと較べると5倍。日本の高齢のフルー致命率と較べても10倍の高さです。フルーの感染者は医療機関受診者による推定値で1500万人ほどで、1万人ぐらいの方が亡くなります(超過死亡による計算で)。2000万人くらいが予防接種していると言われていますが、それでもこの数、かかるわけです。
もしもフルーのように広がればCOVID19では10万人ほど亡くなるということです。

けれども、この抗体検査が示すのは、フルーのようにホイホイとは移らないということ。そしてちょっと風邪っぽいかも……程度で通り過ぎる人が大多数だということです。重症化率は、いわれていることがバラバラでよく分からないのですが、致命率から考えて1割程度と見ると、1%ぐらいが重症化すると考えられます。
COVID19が日本でそれほど広がらなかったのは、一つは、移りにくい株であるということなのだと私は考えています。だってフルーは日本でもアメリカでも1000万人単位でかかっているわけで、生活習慣の違いなんて、フルーはものともしていないわけです。マスクをすれば、そうは移らない、つまり、相当大量にウィルスが出ないと大量の人に感染させられない、そういうウィルスなんじゃないかなーと。
とにかく信頼すべきデータ分析などがないに等しく、メディカル論文は難しくて手が出せないので、当て推量を述べているだけです。
(次のページに続きます)

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コロナ禍における合唱活動を考える [歌うことについて]

コーラス・カンパニー オンラインセミナー 【学び舎 遊人シリーズ】
緊急企画 「コロナ禍における合唱活動を考える ­ 公衆衛生学の見地から
      ~私たちはいったいいつになったら歌えるのか?」

三道ひかり(保健学博士、日本音楽療法学会認定音楽療法士)
本山秀毅(合唱指揮者、大阪音楽大学学長)
坂元勇仁(レコーディング・ディレクター)



聴講したので概要を記します。テキトーなところも多々あります。(*はたまの注記です)近日中に録画がYouTubeで見られる予定。ただし日数限定。 また、レジュメも出ると思いますので、簡単なものです。



参加者720名

東京・神奈川・埼玉の人中心に全国から。50代以上が7割。

合唱練習の再開については開始し……ている10% 間もなく開始40%/しばらく休む50%/未定10%(多分)



合唱連盟は今月末にガイドラインを出す予定(遅いっ!)



以下三道ひかりさんの解説中心に話が進む。

三道さんの専門は公衆衛生。音楽療法は対個人でやるが、そこから興味の範囲を広げ、音楽活動による団体的な精神の安定というあたりへ移った。

結論的には

芸術活動への参加はコーピングスキル(ストレス低減のための技術)への直接的影響があると考えられる。

合唱はヘルシービヘイビア(健康的な行動)につながる活動であり、合唱に関わる者は社会の健康度を上げる責任を持っているのではないか。

ヘルスプロモーション(健康増進)=今持っている健康を最大限活用し、よりよく生きることを支援する。健康を啓蒙していくというようなもの。

その観点から合唱の重要性を論じることができる。



歌を歌うことによる効果……身体的効果。心理的効果。人と繋がる。人前で演奏する=見た目に対する意識。創造経験の喜び。すべて保健資源と言える。



合唱の目標をどこに置くのかを明確化する。何のために歌うのかをもう一度考え直す。



以上、合唱の効用。不要不急ではないと訴えかけるべきポイントの解説。



以下COVID19と合唱について



歌うことによって飛沫が出る。母音ではI、子音ではdbg が飛沫が出やすい。

大きな飛沫は90センチぐらいの間に落下するが、小さな飛沫はエアロゾル化し、空中に漂う。数時間は漂っていると言われている。



マスクをすることによる飛散の低減効果ついては、ドイツにおける実験がある。

普通に発声すれば、呼気はかなりの量が前方へと飛んでいく。

サージカルマスクをすると上部に気体が抜けていく。量も少ない。布マスクも同様だが、サージカルよりは漏れが大きい。

フェイスガードは下へ抜けていく。量的にはマスクよりも大きく、フェイスガードの効果はいまいちな感じである。(*このセミナー以外のほかの実験では、下から抜けて結局拡散してしまうので効果が無いというものもある。)



合唱用マスクのようなものの開発が求められる。



密閉した空間にいると、エアロゾルを吸う確率が高くなるので、喚起をする。窓もドアも開け放して歌うのが良い。扇風機を併用するのも良い。

歌っている最中に換気が出来ない場合は、人が部屋から出て、換気をする。30分に一回、5分くらいか? 実証的データが無いので何とも言えないが。



ノルウェーでは空間バッファー(緩衝帯)2㎡ 演奏者3㎡ 横゜1.5メートル 前後2メートル 相当広い空間が必要である。

ノルウェーのこの見解を見たイギリスの人は、ノルウェーならできるかも知れないが、イギリスじゃ無理、と言ったそうだ。地域、状況によってフレキシブルに考えなければならない。



そういう状況を回避するため、海辺で歌う。屋外で歌うなどとしている団体もある(アメリカ)。



その他の注意事項としては、楽譜を共用しないなど、触れ合いの機会を減らす。

また、歌の練習よりも、合間のおしゃべりの方が感染確率を高めていると思われる。そういうことに注意する。



まとめ

1ワクチンや特効薬のない現状では、活動再開には十分な注意が必要

●合唱活動を行わなければ感染リスクは抑えられる。

●活動再開は感染リスクを引き上げる。



2地域・コミュニティにあった合唱活動を模索する。

●活動再開は地域の状況を見て、柔軟に。

●他ジャンル(スポーツ、ダンスなど)がどうしているかを知る

●ステイクホルダー(役場、医療機関、社会福祉協議会)などと共同できると、地域と繋がりを作りながら、合唱活動への支援が得られる。



3柔軟な合唱の形を考える

●ストリーミング需要のさらなる拡大(音楽産業の転換期)

●テクノロジーを取り入れることを恐れずに



*リモート合唱などの試みを評価しているが、聖歌隊で歌ってきた合唱少女なので、歌うことの意味を理解した上での発言である。

*三密回避、マスク着用等、すべて、その場に感染者がいる、という前提の動作である。しかし、もしも感染者がいるとすれば、このような努力によっても防げない可能性はある。もちろん感染リスクは下がるだろうが、絶対ではない。話題の中には特に感染させやすい人がいるという話が出た。声が大きいとかそういうのではないらしい。具体的などんなタイプなのかわかっていないので、ほとんど都市伝説である。もしもそうであれば、合唱の再開とは何なのかをみなが理解した上で足を踏み出すしかないだろう。

*聴講者のアンケートでは、団員の歩調がそろわない、指揮者と団員の間に溝が在る、等の意見も出た。どうすべきか、ではなく、どうしたいのか、それを基礎にして考えていかねばならない。私たちは今まで非常に安易に歌ってきたが、それ自体を見つめ直すべき時なのだと言われたように思う。

*本山先生の発言はすべて理にかなったもので、共感するところ大だった。合唱は立ち直れるはず、とおっしゃっていた。


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日本語の発音 [歌うことについて]

今日の練習で、「ん」の発音は4つあるのではないか、という指揮者の指摘に従い、ちょっと調べました。
http://daijirin.dual-d.net/extra/nihongoon.html

日本語の音声 という部分をご覧下さい。
全部、読むと、なるほど、という感じになります。

「ん」について、だけ簡単に抜き書き・解説します。(全部日本語の話)
「ん」は後続の子音に影響されて、音が変化する特殊な子音である。基本は鼻音。

●次に音が何もない場合(語末)口蓋垂音「ɴ」
  *口蓋垂とはのどちんこ。のどちんこで声をせき止めて、口から出すべき声を鼻から出す。
   「さん」「かん」
● 両唇音の[p][b][m]の前では[m]
  * 両唇音とは上下の唇を使う子音のこと。このほか「わ」「ふ」があるが、ここでは関係ない。
   唇を閉じる都合から、[m]になる。しかしゆっくり発音すれば「ɴ」[m][p]となるのであって、積極的な[m]の発音ではない。「さんま」「さんば」「さんぽ」
● 歯音歯茎音の[t][d][ɾ][n]などの前では[n]
  *歯音歯茎音とは上前歯の裏側とその上部の歯茎に舌先が触れて音を出すもの
  この[n]は英語の{pen}の{n}の発音と同じです。
● [k][ɡ][ŋ]の前では[ŋ]
  *鼻濁音。舌の根本を軟口蓋につけて、声を鼻から出す。
   「さんか」「さんが」「さんのう」
●[ɲ] の前では[ɲ]
  *これは「に」及び「にゃ、にゅ、にょ」にのみ使われるもので硬口蓋鼻音という。軟口蓋の手前の硬口蓋に舌を当てて出す音。「にんにく」「こんにゃく」  
● 母音や半母音(aiueowshj )の前ではそれに近い鼻母音(例えば、[i][j]の前では[Ĩ])になる。
  「しんあい」「じんいん」「しんうち」「しんえい」「しんおう」「しんや」「こんわく」「しんせい」「さんはん」

 最後の二つはわかりにくいですよね。無意識にやっているので、意識するとちょっとわけがわからなくなります。




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松下耕先生 [歌うことについて]

今日は八ヶ岳合唱フォーラムで「主は羊飼い」「たおやかな歌」を松下先生に教わってきました。

松下先生、世界的にも知られた合唱の作曲者であり、カトリック教徒として宗教曲を手がけ、「三つの詩編」のような曲を書く方なので、真面目で堅い雰囲気の方なのだろうと思い込んで参加しましたが……「ごきぶり五郎伝」を作曲した方でしたw。
声帯模写を交えたトークはもコメディアン顔負けです。びっくりです。とても楽しい練習会でした。
プライヴェートな話もいろいろあったのだけど、一つだけ。大学生らしいお嬢さんの話になったときに、しばらく顔が緩んで元に戻らなかったですね。娘を溺愛しているようです。

さて、曲についての詳細な注意は省き、合唱全体に関わる金言をいくつか。

◎歌曲は歌詞が六割である。歌詞を歌い込め。

◎歌詞は深読みしろ。詩人の考えたことは分からないし、正解はない。歌詞についていっぱいいっぱい考えて、しっくり来るものをそれぞれに選び取れ。
 例として「夕焼け」というよく歌われる曲、「お母さんちょっと来て、お母さん、お母さんきれいな夕焼けだよ」という歌詞の、親子の関係、位置などをどう想像するか。天国の母、姑、そこにいる母、呼びかけている方が小学生、など、さまざまなシチュエーションで、歌わせました。みんないろいろ考えて、本当に変わって、面白かった。自分たちの練習でも取り入れようと思います。

◎日本語の促音は独特で、そこには思いがこもる。促音を大事に歌いたい。

◎伝えようとする気持ちがなければ伝わらない。歌いたい気持ちがなければ良い歌にならない。

◎合唱コンクールに順位を付けるのが嫌いだ。順位にこだわるのもバカらしい。歌にはさまざまな局面があり、上手い下手で優劣を決めるようなものではない。上手いかどうかはどうでも良いことだ。

◎国際合唱祭や国際コンクールを手弁当で開いているのは(開こうとするのは)、歌の世界の幅広さに目を開いて欲しいから。日本は閉鎖的過ぎる。異文化体験のように、いろいろな合唱に触れて欲しい。

今回録音しなかったので、記憶に頼って書いていて、ちょっと違うところもあるかもしれませんが、だいたいこんな感じでした。
共感することばかりですね~




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ブリリアントハーモニー [歌うことについて]

松下先生のブリリアントハーモニー
お手本。少しでも近づけるように。

こういう表情で歌いたい。
さびしいカシノキ
https://www.youtube.com/watch?v=c08Br8Bi_2g

体で表現する例
https://www.youtube.com/watch?v=3jD2yQM_VOo


文化祭講評 [歌うことについて]

2016年甲府市文化祭
お疲れ様でした。録音を聴くといろいろありますが(^0^;)、まあ良かったのではないかと思います。

藤原規生先生の講評です。

〈萠への講評〉立原道造のことば、何て美しいのでしょう。そしてそれを木下牧子さんが託した音はすべてキラキラして、深い精神が宿っています。やはり名曲ですね。柔らかい発語(音色)が皆様の持ち味ですね。ブレスをより深く、丹田への意識を。もっと音が伸びやかになるでしょう。〈君をのせて〉信長さんの色使いのニュアンスがよく伝わります。素敵な演奏でした。

〈全体の講評〉
 下半身が使えていなくて、上半身ばかりで歌っている。丹田に力を込めて。
 最も響きのある音はどんな音か、自分で発声をいろいろと工夫しよう。一音一音、最適な響きで発声できているか、確認してみる、というようなことも大事。さらーっと歌ってしまっている。
 言葉をはとても大事なものだ。美しく、力のある言葉を、若い世代に届けよう。詩に込められた思いをくみ取り、言葉を大切に歌おう。作曲家は詩をもとに、詩を現す絵を描くように曲を作る。その絵をイメージできているか?
 音楽には力がある。大きな力を持っているが、その力を十全に引き出せていない。合唱のことをなにも知らない人を感動させるように歌えれば最高。合唱で歌われる言葉が、衝撃をもって、受け取ってもらえたら最高。

八ヶ岳合唱フォーラム [歌うことについて]

今日は八ヶ岳合唱フォーラムに参加してきた。
木下牧子先生、岸信介先生の指導で、七曲を歌った。
岸先生は相変わらず楽しい指導。木下先生もとてもフランクな方で、解説がおもしろい。
私は詩について少しお話しさせていただいた。
以下、簡単にまとめた。

【木下牧子先生のお話】
 言葉によるフレージング、言葉を立てるということが歌詞のある歌を歌う時には何よりも重要である。
 日本語は難しいと言うが、それは間違いで、ほかの言語を良く知らないため、フレージングがうまくいっていなくても気付かないだけである。その言語のネイティヴスピーカーに聞かせれば、言葉がブチブチ切れている、と言われるであろう。また、日本語は日本の聴衆にも分かるので、審判が厳しくなり、批判されやすい。というわけで、日本語の歌が難しいわけではない。
 私の場合の三連符は三等分ということではない。これで一つに歌うということであり、一つということは円であるということ。「わたし」で三連符であれば、「わたし」が一つとなりくるんと丸まっている、ということである。
 16分音符のつながりなどもそうで、律儀に均等にすれば良いというものではない。言葉の重さで長短がある。そうしたことは歌い手の自由にしても良い(すべてがそうだというわけではないが)。
 私の曲には繰り返しが多いが、同じ言葉や同じ旋律が出てくるたびに変えなければならない。同じように歌うのはアホである(笑)。
 Altoがもっと出てほしい。Altoに愛情を持って書いている(笑)。Altoだけで単体で出るところは、間の手のようであっても、軽く歌わず、しっかりと歌う。

★各曲について
「夢みたものは」高校二年生の時に書いた曲である(ただしメロディーのみ)。作曲を習い始めて、最初に作曲したのは「白いもの」。高校一年の時のことである。家にあった詩集、萩原朔太郎、立原道造、北原白秋の中から詩を選んだ。この頃は立原のことをなにも知らなくて、ロマンチックな感じになった。
「棗のうた」岸田衿子の詩には自分の音楽が付けやすい。詩が深いようでいて意味がないようで、そういう割り切れない魅力がある。同じ曲集の「古い絵」は難しいのだが、良い曲なのでチャレンジしてみて。
「鴎」
三番あるので、それぞれ歌い方を変えて。真ん中がレガート、最後は前へ前へ出る感じとか。オケ版を聞いてもらうと、私のイメージしている「こんな感じ」というのがわかってもらえると思う。
「小譚詩」
物語なので、言葉が聞こえないとどうしようもない。
「風が風を」
多田智満子はすごく好きな詩人だが、あまり歌に出来ない感じ。このほかにもう一曲作ったが、差別語の関係で楽譜にしなかった。これもやはり物語なので、言葉が重要。私の女声合唱曲には珍しい、力強い感じなので、組立のアクセントになると思う。ぜひ歌ってもらいたい。
 
【岸信介先生のお話】
 ふるえる、遅れる、ぶら下がる、という三重苦に陥らないように。ていうか、一つでもダメ。
 発声は体幹がしっかりしていること、深い呼吸、共鳴で成立する。
 足の裏が地面にしっかりと着いている感覚があれば、横隔膜を下げ深い呼吸になっているはず。呼吸が浅くなると、足が地に着かない感じになる。
 音は集めなければならないが、体を硬くしてはダメで、頭のあたりがばーっと開いている感じで響かなければならない。
 体をもっと開いて、声を出すこと。
 表情。目で訴えるのだから、目を見開いて、声を出す。そして怖い顔で歌わない。
 ただ単に音を伸ばす、などということは、ない。前へ歌っていかなければだめ。止まったら音楽ではない。
 出さなければならない子音をよく考えて。拍の頭では母音の音が響かなければならないから、子音はその前に。出だしは特に重要。
 フレーズを長く。棒読みでぶちぶち切れるのはまったくダメ。
 二度の音程はもっと広い。このことを忘れない。
 音は常に和音の中でどの位置を占めているのかということを考えて取ること。
 

昨日の研修 [歌うことについて]

コラニーでの研修にご協力下さったみなさまありがとうございました。
昨日からとても寒く、私のいる長坂では道路に霜が降りて、フロントガラスも真っ白です。
体調など崩されませんように。

さて、昨日の録音では、二種類の録音を無志向性マイクロホンを使用するAB方式のと、単一志向性マイクを使ったXY方式(だと思う、たぶん)で違いを聞き分けるというもの。リバーブをかけ、響きを出しているため、無志向性だと音のずれが目立ってしまい、わさわさした感じがする。単一志向の方がすっきりする。ピアノが入ると、無志向性はピアノとの音のかぶりの感じが良くて、私はこれの方が臨場感があってよいと思ったが、指揮者やコラニーの人は単一性の方がやっぱりすっきりしていて良いという意見だった。
ピアノの演奏は二本のマイクでどれほどリアルに再現できるかというようなものだったと思う(セッティングを見てないのでよくわかってない)。
全体にとてもおもしろく、勉強になったし、歌えて楽しかった。

合唱は混成チームだったので、音色がまったく変わり、とても興味深かった。
いろいろな声の編成で、いろいろな曲を歌う試み、のようなものをやってみたいと思った。
うちの指揮者は、それができるような立場にある人だと思うが、そんなでたらめなことはさすがにしないようだ(笑)。
私は個人的には合唱の可能性とか、広がりのようなものに興味があり、いろいろと変わったことをやってみたいのであるが、実現するのは難しい。こうしたことは、本来プロがやるべきことだからだろう。

あーいろいろな合唱団でちょこちょこっと歌ってみたいな。どうしてそういうフレキシビリティが無いのかしら? ただの趣味なのに。

声量 [歌うことについて]

この春、西尾先生や田中さんが参加なさったオペラで、Sopranoのヒロインはすばらしい声量の方でした。デュエットだと一緒に歌う男性(光君)の声が聞こえてきません。
こうした声量のすばらしさは、もちろん鍛錬もあるでしょうが、才能であると思われます。
声の質というか。音色ももちろんそうですよね。持って生まれた声はどうにもならないです。
できる範囲で努力するしかない。
萠は今、最小人数状態なので、みんなもっと声量があればなあと考えているかと思います。
西尾先生にも、芦澤先生にもうかがいました。
どうすればいいのか?

1 声をどんどん出す。(練習する)
2 息をたくさん流す。

 いっぱい歌うしかないということですね。
 頑張りましょう。
(たま)


 
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